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「まち」で暮らすための家 [スタディープラン]

店舗兼用住宅が欲しい・・・


ご要望:
・ヨーロッパの街であるような、店舗兼用住宅を建てたいです。
・夫婦2人(子供はいない)ですが趣味スペースを考えて、おそらく3階建ての建物 になるでしょう。
・奥さんはパッチワーク(作成)、アンティークイギリス家具(コレクター)を中心したアトリエ/ショップが欲しい。
・店舗イメージは、お客さんが土足で入れる、こじんまりしている、入り口が狭い、小さな丸いショーケース。
・旦那さんはオーダー自転車を組み立てながら、仲間を集めてワイワイできるフリースペースを希望。
・乗り物は車1台、自転車4台があります。
・2階にLDKと水周り、リビングをイギリス風にしたい。キッチンは個室タイプ(なるべく使いやすく)。
・3階は寝室と12畳程度の書斎。今は間仕切りを作らず、将来的に各個室などにできるようにしてほしい。
・本はたくさんがありますので、本棚はたっぷりと設置できるようにしてくださ い。
・建物の特徴としては、丸い壁、丸い窓、石張りの壁は好きです。
・内部はなるべく簡素にして、コストを抑えたいです。



スタディープラン


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『「まち」で暮らすための家』


「まち」は単に人の集まりであるというだけではなく、人と人の関係性の集合であると考えています。
人々が互いにつながって、メリットを共有しあうことに意義があり、「まち」で暮らすことの快適性はそこにあるといえるでしょう。
歩ける範囲に商店や公共施設があり、日常生活で必要なことは歩ける範囲で解決できる、困ったときにはお隣さん同士で助け合える。そういった生活を楽しむために人は「まち」で暮らそうとするのではないでしょうか。

そんな生活を実現するためには「まち」に暮らす人々が「まち」との関係を良好にすることが必要です。お隣さんがどんな人か知って安心したい、お隣さんに自分の人となりを知って欲しい。
このように「まち」との関係を良好にしていくことが、「まち」で暮らすメリットを享受するための第一歩になるのではないかと考えます。

そうした「まち」との関係を作るために、住まいのプライバシーは確保した上で、住まいと「まち」との間にパティオを設けることによって、「まち」とのコミュニケーションをつくれるのではないかと考えています。正面に設けたショップともうまく連携させれば、「まち」の表情に彩りをもたらす、素敵な住まいになるに違いありません。

[概要]
敷地面積:108.1㎡(32.8坪)
建築面積:58.7㎡(17.8坪)
延床面積:113.6㎡(34.3坪)+車庫15.6㎡(4.7坪)
建築構造:木造3F建


立面イメージ

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1F平面プラン

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■パティオ(中庭)
建物が密集する街のなかで、開放的かつ安心できる場所としてパティオを設けています。ここが「まち」と住まいとを結ぶコミュニケーションスペース、あるいは「まち」と住まいの間のクッションの役割を果たします。
通りから見えるこの空間は第二のパブリックスペースです。エントランスのアイアンの扉を開け放てば、仲間や近所の人たちが集うことのできる憩いの空間に変身します。
晴れの日には抜けるような青空を、雨の日にはしっとりと濡れた表情で迎えてくれるでしょう。外から帰ってきたときにもホッと安らぐ空間であるに違いありません。
パティオはまた、上下の空間をつなぐ役割も持っています。一般的には連絡通路でしかない階段室も、このようなパティオの一部となることでその価値を高めることになります。
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■通り庭(promonade Architecturale)
エントランスからパティオを通って裏庭に至る通路は、町屋における通り庭を連想させます。
また、この通り庭は、川の流れのように緩やかに蛇行し、あるときは空を見、あるときはくぐり抜けるといった、変化に富んだ建築の散歩道でもあります。自分の家を眺める場所がいくつも存在することは、住まいを実感できる重要なポイントです。
増築の必要が生じた場合には、通り庭と裏庭は、増築のためのスペースとして利用することもできます。

■ショップ(表現の場) SH
趣味のものは自分だけで終わらせず、人にもアピールすることでさらに充実することでしょう。ショップスペースはそのための場を提供します。また、住人の嗜好が道行く人にも分かるということは、互いの理解を深める第一歩です。ユーティリティースペースを奥に控え、使い勝手も十分です。


2F平面プラン

2Fheimen.JPG

■玄関 E
玄関はあえて2階に設けました。階段を上がることによって真のプライベート空間に入る構成です。
必要最小限の大きさに留めていますが、壁側に設けた上がり框の下に履物が入れられるため、視覚的にスッキリとしたものになっています。
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■ダイニング-リビング D・L
丸い壁に、反復される縦長の窓、そして丸いテーブルに集まれば和やかな雰囲気が生まれます。
ダイニングからリビングへは緩やかにつながり、一つの空間として意識することもできます。リビングはピアノやオーディオ鑑賞、読書などで過ごせる書斎的なプライベート空間ですが、仲間とのパーティでは大きなリビングダイニングの中のひとつの居場所のように機能することでしょう。

■バックテラス1 TR1
食事のあとのひととき、ティータイムなど、屋外でのくつろぎにお使いください。
物干し場としても使えるテラスとして用意しました。
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3F平面プラン
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■ホームオフィス HO
壁面一杯の書棚は、図鑑(30mm厚)で1,500冊以上の収納が可能です。調べものに便利なワイドなテーブルやコンパクトな打合せスペースは、北側の窓辺に沿って配置することで、安定した自然光を得ることができます。
トイレもすぐ隣にあり、オフィスワークに集中できる環境を備えています。

■主寝室 MBR
朝の日差しと、柔らかな北側の光が取り込める安らぎの空間です。ホームオフィスとは同じフロアにありながら、別棟にあるような距離感を持たせることで、寝室としての快適性を高めています。

■バックテラス2 TR2
寝室からも、ホームオフィスからもすぐにアクセスできるため、朝目覚めたらテラスに出て爽やかな空気に触れたり、仕事や読書の合間にここで深呼吸したり、あるいはちょっとしたティータイムに使うこともできます。

■廊下 C
オフィスへのアプローチとなる廊下には、書棚(図鑑600冊以上)を収納できる書庫としての機能を備え、空間を有効に利用しています。


◎3D画像もありますので参照下さい→パリの記憶



◆実際の施工例等にご興味がある方はこちらのHPをご覧下さい☆→設計事務所 スタジオドディチ
◆Flickr( オンライン写真アルバムサービス)でも写真を公開しています☆→施工例


タグ:中庭
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